住まい造りの手引き その1
2010/08/23
住まい造りの基本姿勢
健康100年住宅
大変重要なポイントです。是非読んでください。
本物の健康住宅
当社が健康住宅を掲げたのは、20年程前のこと。そのころは、長野県の厳しい寒さからの解放を目指し、太陽熱を利用した「ヘルシーハウス」(エアサイクル住宅)を採用した時のことでした。真冬に外気温がマイナス15度になっても、家の中では水道が凍らない、家中どこにいっても寒くない、住まいの温度差の無い(ヒートショック)の無い健康な住宅。これが、健康住宅の始まりでした。
ところが近年、世界的に社会問題となっている「化学物質過敏症」。そして、住宅の新築やリフォームにより、その住宅に住む人が原因不明の様々な健康障害を起こす「シックハウス」が大きな問題となって私たちの生活を襲ってきました。
原因の特定が困難な為、日本の建築業界の対応は遅れ、欧米に比べてその対応の悪さは危機的な状況なのです。一般消費者は、その実態を殆ど知らない。気付いた時は、すでに手遅れの場合が多いのです。
最近、住宅メーカー各社は「シックハウス対策は万全です!」と安全宣言を出していますが、その内容は千差万別。本当に、その安全性を信頼してよいのでしょうか?
私は、大変疑問に思います。
今、一番問題とされている「ホルムアルデヒド」。接着剤などの成分として、大変便利な化学物質です。しかし、その危険性が明らかとなり、住宅から「ホルムアルデヒド」を排除しようとメーカー各社は一斉に「低ホルム商品」に切り替えています。確かに「ホルムアルデヒド」の放散量は少なくなりましたが、少なくなれば安全なのか。これは、間違いなく危険です。
(裏話:たとえ「ゼロホルム」の商品となっても、「ホルムアルデヒド」を、別の似ている性質の化学物質に置き替えるのです。では、その代替物質は安全なのですか?検証できません。化学物質は何百万種類もあり、それぞれについての安全性の検証は、現実的に不可能です。)
まず、あえて危険な化学物質を使用した建材を大量に使用すること事態が問題です。そして生活の仕方が問題なのです。換気計画と、設計が重要なポイントになります。
私たちは、自ら身を護り、そして家族の健康を護るほか、この「シックハウス」から身を護る術はないのです。
その為に、私たちが出来ることは、まず情報の提供。情報公開。次に、危険と思われる建材を使わない自然素材による住宅造り。そして、安全な生活の提案です。
それが、私たちの目指す「本物の健康住宅」の姿です。他社が言っている健康住宅と、その内容を良く比べてみてください。
100年住宅
使い捨ての時代から、世代を超えて継承する時代に
時代が変わり、住まい造りも変わりました。戦後、国の住宅政策は、住宅戸数を確保することを目的に、大量の住宅を供給してきました。プレハブ住宅はその期待に応えて、大量に住まいを供給してきました。
大量生産の時代の住宅は、もって30年、早いものは15年20年で建替えることを前提に設計され、まさに「使い捨ての住宅」を供給してきました。
しかし、この数年で住宅政策は大きく方向転換しました。相次ぐ法改正により、今後建てられる住宅は、高耐久住宅を、つまり最低50年耐久する住宅を建設することを求めるようになりました。なぜでしょう?
この時代の変化とは、「環境問題」です。住宅1軒解体すると、人間1人の一生分のゴミが排出されます。ゴミ処理に、莫大な費用がかかることは、すでに皆さんの生活の中で実感されていることでしょう。
また有害な化学物質を大量に含んだこれまでの住宅は、焼却することも難しく、さらに大きな環境問題となっています。
つまり、今後は簡単に住宅を解体できなくなります。もし、解体するときは、40坪の住宅で、200万円400万円と大変な費用がかかることは間違いありません。廃棄物処理費用は、うなぎ登りに高騰し、天井知らずの勢いです。
このように時代が変わり、私たちがこれから住まいを建てようとする時、従来の「使い捨て住宅」は建設することは出来ないのです。「世代を超えて継承される住まい」が、これから求められてくるのです。そして継承することで、いかに私たちの生活が豊かになるか、創造できますか。(当社の推薦図書「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」などは大変するどい視点で、住まいを考えています。)
イギリスの住宅の平均寿命は141年。日本の住宅は30年。同じ先進国といえども、この住文化の貧しさは改善しなけばなりません。世界レベルの超耐久住宅を目指し、100年耐える住宅を目指しています。
それが、当社の掲げる「100年住宅」の基本コンセプトなのです。